中国人を理解しないで生きていけない日本人 by 孔健


激変した「チャイナ・ニーズ」をつかむ方法ってサブタイトルが付いてます。

日本国内に成長はなさそうだし、グローバル化は止まらないし、これからの時代は中国だなーと思います。「どうせなら中国でやってみたいなー」と思って英語始めたり、いろんな本読んだりしてるわけです。
中国の社会のことや、中国人の考え方などは、さっぱり知らないので、せめて本を読んでみることにしました。私はいい歳して子供並の知識しか持ち合わせてないので、すみません。泣)

【全体的な様子】
・人口が13億人! 2010年にGNPが世界2位となったが、1人当たりの平均所得は低い。経済成長率は8.74%。
・天井知らずの不動産バブルで凄いことになっている。不動産長者が続出。富裕層(個人所得1000万元 = 1億3500万円)の個人資産を持つ層は人口の6-7%を占めている。中国内の不動産が上がりすぎて、日本の物件が割安に感じるほどで、超富裕層は日本買いをはじめている。
・56の民族が暮らしている。漢民族が90%をしめるが、55の少数民族が存在し、7大方言がある。

【インターネットとか】
・インターネット人口は、2010年6月までで4億2千万人!うちブロードバンドは3億6千万人(ブロードバンドと言っても平均速度は857kbpsらしい)。携帯電話のインターネット接続は2億7千万。IPv4アドレスがあからさまに足らず、これにより世界のIPv4アドレスの枯渇は時間の問題であり、特に中国ではIPv6化が急務となっている。

【国家・政治】
・社会主義国であり国家の上位に党がある。中国共産党が一党独裁で国家をも共産党が指導する。
・軍隊は人民解放軍といい、国の軍隊ではなく共産党の軍隊。軍の統制権も共産党にある。
・司法、行政、立法も全て共産党下にあり、三権分立でない。
・政治は社会主義だけど、経済は資本主義なんだそう。1992年に鄧小平が、旧ソ連の崩壊をみてその路線にしたらしい。「計画経済」から「社会主義市場経済」と共産党親分の鶴の一声で国の方向が決まる。
・土地バブルは、実は国が暴利をむさぼっているようだ。上海の土地は1年で50%も上がり、もう庶民にはマイホームは手が届かなくなってしまったそうな。土地の売買に関する権限を握る役人と不動産業者が結託し、地上げして巨大なビルを建設するという構図のようだ。

【日本への観光旅行とか】
・2010年7月からビザの発給要件が緩和され、これまでの10倍の1600万世帯が対象となった。現在でも100万人の中国人が日本観光に来ているので、これからの旅行客数は相当なものになるのは間違いない。(どおりで最近渋谷に中国人がメチャクチャ多いわけだ)
・なぜか富士山が好きで、富士登山→露天風呂→寿司と刺身のツアーとか、花見ツアーとかも大人気なんだそうな。
・シーズン的には、冬は「スキー」、夏休みは「富士登山」、秋は「温泉」、そういうメインイベントに「買い物」「東京ディズニーランド」などのテーマパークをつけておもいっきり日本を楽しんでいくらしい。

【中国へ向かう日本】
・日本の上場企業が2008年までに1778社が進出している。夜も開放されており日本人駐在員が女性を2-3人囲って「天国の費用」の捻出にどうにもいかなくなるなんてこともよくあるそうな。
・好景気なのに失業者が2億人! GDPが世界2位になったのに、社会の受け入れ態勢が整わず、労働の質の変化に対応できない人も多いようだ。山東省済南市で「糞尿汲み取り作業員」を募集したところ、400名の応募があり、会計学や建築を学んだ5名の大卒者が採用されたという。大卒だけでは全然役に立たないそうだ。
・筆者は「日本企業は中国人にとって最高の人材教育学校」と見てるそうだ。中国人ビジネスマンにとって日本企業でキャリアを積めば人生が上向きに変わるという。

【中国人の考え方と日本】
・いまだ「侵略戦争」を認めない日本。一方的に中国に侵略してきたのだから、靖国参拝を「自国を守るために死んだ兵隊を祀っている」とは認めない。
・中国人は自分たちが日本を作ったと思っている。
・中国人は謝らない。自分の身に振りかかる災難を容認しない。長い歴史の中で幾多の戦乱をくぐり抜いてきた知恵。
・中国で行きたい旅行先のアンケートを取ると日本は70%以上になるそうだ。そして実際に日本に来た中国人の99%は日本が好きになっているそうだ。
・日本で暮らしている30歳前後の中国人は中国に戻りたくないという理由は「食は安心・安全で安くおいしいものがたくさんある」「便利なコンビニのない生活は考えられない」「町は清潔で安全」「どこへゆくにも地下鉄は安くて便利」「日本の方が生活を楽しめる」。
・「帰国したくない理由」という中国人のブログには「にわか雨に振られ濡れて歩いていると、見知らぬご婦人が傘をさしかけてくれ、道すがら楽しく話をしたことに感動したこと」「中国では見知らぬ人が近づいてきたら、何か企んでいるのではないかと身構えるが、日本ではそんな考えは無用で人の好意をうれしく感じる生活がある」「中国の人間関係は全て利害関係なので疲れる」という。
・「中国人のメンツを潰してはいけない」中国人には命よりも大切なメンツがある。
・「中国人はすんなにすぐには人を信用しない」時間をかけ人物の鑑定を念入りにしてからしか動かない。
・「日本人は物事をハッキリ言った方がいい」気になる問題はその場でハッキリさせたほうがいい。
・「感動を与えた日本救助隊」四川大地震の時、日本緊急救助隊が母親と子供の遺体を発見した。担架に乗せて両サイドの隊員が頭を垂れて慰霊の姿勢を取る間をゆっくり運び出す姿を見て、多くの中国人は心を打たれたという。(中国では大きな穴を掘って遺体を投げ入れるだけの埋葬だったそうだ。)
・「日本に偽物はない」中国の女性は日本の高級化粧品が肌に合うのでたくさん買ってゆく。ふっくら美味しく炊ける日本の炊飯器は絶大な人気で親戚縁者分含め1人で5個も10個も買ってゆくんだそう。

【揚子江の北と南で大違い】
揚子江の北と南では、日本人の捉え方は全く異なる。北は騎馬民族の子孫であり、日本人を計算高い経済動物と見る。南は日本人と同じ農耕民族であり最近は日本人と毎年1万人位結婚する。北と南は言葉も全く通じない。
華北:首都北京がある。お金より権力。脳ある鷹は爪隠す。
華中:上海がある。身なりに金を惜しまない。ビジネスは1円でも相手から多く取ろうとする。安全第一で少しでも不安があると契約を避けるが、不安を取り除き一度仕事をうまくいかせると、あとは信頼出来るパートナーとなりうる。日本で水商売をしている中国人女性には上海出身者が多い。
華南:ずっとイギリス領だったこともあり香港人という独自色が強い。お金に執着心が強く仕事熱心。ゴシップ好きで何事にもクビを突っ込んで根も葉もないことを言いふらすが、すぐに忘れてしまう性格。日本で居酒屋やラーメン店で働く女子には福建省出身が多いが、マジメで我慢強い性格でよく働く。

【相互理解に必要なこと】
①中国人は「騎馬民族・大陸民族」であり「流浪の民」である。
②長い中国史のなかで庶民は「乱世・貧困」の民族であった。
③中国は現在「社会主義・人知主義」の国である。

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