コルブ・モデル「実践」→「経験」→「反省」→「オレ理論」

元トラックドライバーで現在は社会人MBAの松嶋貴明氏のblogに酒井穣氏講演の話しがありました。その中で「コルブ・モデル」ってのを見て「学び」を感じたので、引用させていただきます。http://bit.ly/9flNgq

「コルブ・モデル」という経験学習モデルで、「実践」→「経験」→「反省」→「オレ理論」という4つをグルグルと回すことで人間は成長するというもの。重要なのは、「反省」であり、人間は「反省」をする過程で真剣に考えることにより、自分なりの理論である「オレ理論」が生まれる。「オレ理論」は一般化された理論ではないが、一つの仮説であり、その仮説をさらに「実践」→「経験」→「反省」と回していくことにより、仮説検証の手順を踏んでいくことが可能となる。「反省」がないままだと、「実践」と「経験」をいったりきたりするだけで、仮説を立てることが出来ないため、自己成長には繋がらない。

「反省」は、単なる内省に終わってはならず、アウトプットすることで価値のあるものとなる。なぜならば、人は自分自身とのインタラクティブなやり取りの中で初めて、自分自身の考えを暗黙知から形式知にすることが出来るからである。これは、誰かに何かを説明するときのことを考えると分かりやすい。人に何かを話しているうちに、思いもよらないことを発言していたりすることがある。「自分はこんなことを考えていたのか」を驚く瞬間である。あるいはブログなどに書き込んでいくうちに、漠然とした思いが言葉になり、自分自身の考えが一つの理論となっていく瞬間がある。言語化・文章化することは、「経験」から得たものを、形式化する重要な手段であり(「反省」)、その手順を踏むことによって、自分自身の仮説(「オレ理論」)が形成されるのである。

この学習経験モデルは、自分自身の自己成長のみならず、部下の教育にも活用できるモデルである。部下が今一つ伸びない、成長していないと感じているとすると、その部下は、「実践」→「経験」の間を行き来しているだけだからかもしれない。注意したり怒ったりすれば、その場での「反省」はあるかもしれないが、アウトプットのない反省は、仮説構築に繋がることはなく、成長サイクルは回らない。部下の成長の為の反省は、その部下に失敗の原因や考察を語らせることによって、彼の中で理論化していく。重要なのはアウトプットであり、アウトプットの場を用意してやることが部下を育成する上司の務めではないかと感じた。

他にもここでは書ききれないほど、沢山のことを考えさせられたが、懇親会で仰った「行動には浅はかさが重要」という言葉は実に印象的だった。何かを行動する前にあらゆる可能性を検証してみても、あまり意味がない。「とにかくやってみる」という気持ちをもっていないと行動はできないと思っている。

追記:松嶋貴明氏からアドバイスをいただきましたので追記しておきます。
「反省」というと誤解を招きそうですが、私は「経験に関して真剣に考えること」だと理解しています。人の意見や理論を聞いているだけでは成長はなく、自分自身の頭で考え続けることが「オレ理論」の構築に不可欠だと思っています。

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