フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略


前に読んだ本で、今更ですがアップしとくことにしました。
ロングテールの著者の第二弾で、実際フリーで公開もしたという話題で読んでみたわけです。
著者はジャーナリスト(Wiredの編集長)だそうな。客観的/分析的で熱くなく、これといったインサイトもあまり感じられず、読んでいて、いまひとつ引き込まれませんでした。
とにかく、フリーのビジネスモデルのありとあらゆるパターンを網羅した本で「なるほど、こういうからくりなのか」という事例が延々と続きますが「で、どうなの?」という答えが得られないモドカシサを感じました。なんかわかったような、よくわからない感じです。安くて作者のインサイトにあふれる本のほうが読んでいて楽しいなとつくづく感じます。
著者は、新しいモデルを象徴する真のフリーは、デジタル経済に存在する「内部相互補助(他の収益でカバーする)」と言っています。
①直接的内部相互補助-目玉商品1つ赤字で客寄せし、その他いろいろ勝ってもらうことで差し引き+にする方法。(例、サービス無料で製品有料、ソフト無料でハード有料、特売品、携帯の初期費無料24ヶ月割賦、クレカの会費無料等)
→普通に昔からありますよね。
②三者間市場あるいは市場の二面性(ある顧客グループが他のグループの費用を負担)-マスメディアの広告スポンサーモデルをあらゆる産業に広めたもの。例、Googleのフリー、Web広告モデル、フリーOS等
→これもあるある。
③フリーミアム-一部の有料顧客が他の顧客の無料分をまかなう。サブセットを無料配布し、フルバージョンを有料にする。無料でユーザがバツグンに多ければ1%でも有料版でまかなえる。
→これも特別発見とも思えないですね。
④非貨幣市場-ユーザが金銭的対価をあてにせず無料提供するものを皆でシェアする。例、WIkiペディア、中古物物交換サイト。モチベーションは、評判や関心等。
→これも、名誉のボランティアみたいなもんですかね?

後半で「人間は持っていないモノを欲する」というのは頷きました。マズローの5段階目(自我欲求、自己実現)がますます貴重になるというのも。誰にでも達せられるものでもないと思いますしね。
デジタル化でコンテンツがほぼ無料になってゆく中で「希少な資源をめぐる選択の科学」が益々発展してゆき「注目経済」と「評価経済」が益々加速してゆくでしょうね。
「メディアに登場するスター」の価値を益々定量的に計測できるシステムが発展し、注目も評判も通貨と同じように数量化(ページランクみたいに)できるようになる社会について、なんとなくイメージが浮かびました。
ある程度物質的に満たされた社会では「贈与経済」、それは「啓発された利己主義」「楽しいから」「何かを言いたいから」「注目を集めたいから」「自分の考えを広めたいから」などがキーワードのようですね。
私たちは、生きて喰っていくためだけに生きてはいないのは確かだと思います。報酬なしで喜んでやること=創造的かつ評価される方法で貢献する機会は、マズロー5段階目の自己実現そのもので、それが仕事で叶えられる人もごく一部かも知れません。
中国とブラジルにおけるフリーの現状も、今後を考えるに参考になると思います。
<無料のルール>
1.デジタルものは、遅かれ早かれ無料になる
2.アトムも無料になりたがるが、力強い足取りでない
3.フリーは止まらない
4.フリーからもお金儲けはできる
5.市場を再評価する
6.ゼロにする
7.遅かれ早かれフリーと競い合いすることになる
8.無駄を受け入れよう
9.フリーは別のものの価値を決める
10.希少なものでなく、潤沢なものを管理しよう
<フリーミアムの戦術>
1.時間制限
2.機能制限
3.人数制限
4.顧客のタイプによる制限

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