これからの思考の教科書 by 酒井 穣
酒井譲さんといえば、出す本、いつもベストセラーですが、今回は部数が少なくて、アマゾンでもすぐ売り切れになっちまって順位が上がらないのが、ファンとしては、ちと残念。
後書きで読みましたが、ある編集者さんとの縁で今回の本の出版につながったようなので、在庫切れしまくりなのは、ある意味想定範囲内だったのだろうと推察しました。
で、これが今回の酒井譲さんの新作です。テーマは思考法です。
(はじめにを読んで)
恥ずかしながら、わたしはよく知らなかったのですが、ロジカル・シンキングのスキルは、もはやビジネスにおける常識的なスキルなのだそうです。 ロジカル・シンキングって「A=BでB=Cならば、A=Cである」といった具合に、ある事実から疑えない結論を導き出す思考法で、ロジカル・シンキングに精通した人たちの間では「同じ事実が与えられれば、同じ結論が導ける」状態が形成されるので、つまりこれが上手になったところで、競合他社とは差別化できないちゅうことになりますね。 → まさにこれの体験として、私はある通信事業者でマンション向けのISP事業をやってるんですが、先日とあるメーカを呼んで新型ルータの説明を受けていたのですが、どう見ても競合他社が、この機能の実装を要求したんだろなーってわかる機能があったりして、見る人が見ると、もうそれは差別化でもなんでもなくて「ただのコモディティーなんだなー」って思ったりしましたよ。まさにロジカル・シンキングエリアでの戦いですねw これもう戦いにも、なりませんからwww
そこで、生き残るために必要な差別化を実現するために求められるのが、直感による「ひらめき」です。とはいえ、思いつきやその場限りの他愛のないアイディアを逐一社内で検討していたのではあまりにも効率が悪すぎるのでビジネスにブレイクスル―を興すような「ひらめき」を生み出す思考法が編み出されており、それらが「ラテラル・シンキング(水平思考)」と呼ばれているのだそうです。
さらにビジネスでは戦略立案や新商品開発などで最終的に全く正反対のAかBのどちらかを選ばなければならない場面に遭遇します。対立する2つのアイディアうちのどちらか一方だけをすんなりと選んだりはせず、2つのアイディアが持つポイントを同時に受け入れるような、より優れた第3のアイディアを生み出す思考法を「インテグレーティブ・シンキング」と呼ばれており、それが著者がこの本で書きたかったメインテーマだと思いました。時代は、どれかひとつ最適解を選ぶなんていう悠長なものでなく、相反する複数の選択肢から、いかにして最大限のゲインを得るか?という時代にまでなっているのだなということが凄いですね。
第1部で「ロジカル・シンキング」、第2部で「ラテラル・シンキング」、第3部で「インテグレーティブ・シンキング」を取り上げられ、ビジネスパーソンの武器としての思考法が具体的に分かりやすく解説されています。
<おっさん式、メモとコメント>
いつも通り酒井さんの本は、ネタの出し惜しみがなく、7歳の娘さんに語りかけるようにわかりやすく書かれており、とにかく理解しやすいのがありがたいです。難しいことを、これほどまでに、やさしく解説してくれる本を、私は知りません。
これらの思考法を知って、できること、気付いたことから実践して身に付けていかないと、個人としても、組織としても生き残れないよなーとつくづく思いました。
もったぶらずにあっさり書いてあり、とても大切で深い内容ですし、すぐに実践で使えそうなものも多いと思います。ホントにお得な本だと思いますよ。私はがっちり仕事で使わせていただきますよ。
第1部では、ロジカル・シンキング(垂直思考)を分かりやすく解説してくれます。恥ずかしながら何の基本知識もない私には、大変ありがたいわけです(;´∀`)
・要するにロジカル・シンキングとは「事実と提案(結論)の間に、疑えない因果関係を生み出す思考」のこと。
・「事実」→「理由」→「提案」の緻密さと納得性がポイント。
注意点①ベースになっている「事実」が単なる推測や思い込みでないか?→ありますよね。知らない人はずっとそのままですね。
注意点②「理由」に因果関係が成立しないことはないか?
・クリティカル・シンキングは、攻撃的なロジカル・シンキング(都合の良いところだけを強力に協調すること)の妥当性を判断したり、防具としての意味がある。
ポイントは
①事実に曖昧なところはないか?
②結論に具体性が欠けるところがないか?
③ロジックに独断的なところはないか?
④ロジックに飛躍はないか?
しかし、いかなる提案においても、その提案のネガティブな面を正直に述べることを忘れるな!
いいことばかりだとウサン臭くて、どうにも納得性が薄いってのがありますからね。
・説得力のあるロジックを構成するにはABCDEFを意識してみる。
Analysis(分析)
Because(原因)
Comparison(比較)
Definition(定義)
Example(事例)
Fact(事実やデータ)
・「問題発見」とエスノグラフィー(行動観察)
「問題分割」とロジックツリー
網羅性(MESE)確保のために「基本書の目次を参照」「フレームワークを活用」「1人で考えない」
・話の構成方法をCREC法という法則を守ることで、話の分かりやすさが飛躍的に高まる。
①Conclusion(結論)
②Reasoning(理由)
③Evidence(証拠)
④Conclusion(結論)
→普通の日本人の思考回路(=説明回路)は起承転結でできてるんですね。それを認識して理解出来ていないと、CRECでコミュニケーションできないわけですよね。これ聞いた瞬間に、あるラインに落としてみたんですが、反応が;;・・・・。何度も何度も聞いて確かめてみて。やっと伝わったか?という感じでした><;道のりははるかに遠いです。
・「話し方のチェックリスト(P.64)」も気付きの参考になると思いました。
→ 早速、とある現場に配ろうと画策するが、なぜか下まで落ちていかないという・・・。それ以前なのか><;
現在のビジネスにおいては「個人がそれぞれ判断し、コミュニケーションをとりながら動的にチームワークを発揮してゆく」ことが絶対に必要であり「同僚の行動から、その背後にあるロジックを正しく読むことができる人材でないと役割が務まらない」 → ですね。走りながらパス出し、回す感じですよね。
脳内にある英語の回路は、ロジカル・シンキングの回路との親和性が高いのではないか?(P.69)言語ごとに別人格がいるという話もありますよね。
そして第2部のラテラル・シンキング(水平思考)です。
ロジカル・シンキングが設定された枠の中で問題解決を探るのに対して、ラテラル・シンキングは既成の枠にとらわれず、視点を様々に変えて問題解決を図るような思考法です。ロジカル・シンキングが同じ土俵で競争するための思考法とするなら、ラテラル・シンキングは、直接対決を避けて競争相手を出し抜くための思考法といえるのかも知れません。(P.81)
ここで、酒井さんは、ビジネスパーソンとして知っておくべき3つの発想法を紹介されています。→こういうところが、助かりますよね。
1つめ.アブダクション
帰納法、演繹法に負けないくらいとても大切な思考法だが、どういうわけか一般的には浸透せず人類史の中で埋もれてしまったものと紹介されてます。
「驚くべき事実Cが発見された。しかし、もし説明仮説Hが真であれば、Cは当然の事柄であろう。よって、説明仮設Hが真であると考えるべき理由がある。」という例が紹介されてます。
「海から遠く離れた内陸で魚の化石が見つかった」→驚くべき事実C
「このあたりの陸地はかつては海であった」→説明仮説H。
あとは説明仮設Hがあれば、Cは「当然の事柄」となる。
しかし、アブダクションの推論には大きな2つの壁がある。
1つ目の壁は、驚くべき事実を見つけるためには「十分な知識」がいるということ。驚けるということは「異常」を察知できるということであり、何が「正常」であるかを知識として持っているということ。
もう1つの壁は、説明仮設Hを立てるときの「ひらめき」。異常に気付いても、その理由を考えることはけっしてロジカルなプロセスではない。
「人間は、無数にあり得る仮説の中から、真なる科学的な説明を生み出すことができる」→驚くべき真実C
「正しく推測する能力が備わっている」→説明仮説H
2つめ.シネクティクス法(類推法)
「アイディアとは、既存の要素の新しい組み合わせに過ぎない」という指摘は多数存在する。シネクティクス法のエッセンスである「共通点探し」の発想推論には3つの形式があると言われている。
直接類推法(direct analogy) -とにかく似ているものを見つけてきてテーマに結びつける。特に生物にヒントを得ようとするものは「バイオミメティックス(生体模倣技術)」と呼ばれる。ミズノの水着「ファストスキン」はサメの肌を参考にしてる。マジックテープはゴボウの実が原点だったり、チョウの体表面が超撥水性構造であることの応用など。
主観類推法(personal analogy)-擬人法や演劇的アプローチにより、自分がテーマの対象になり切ってそのものの発想を得る方法。顧客になりきって製品を考える/人間でなく製品やモノになりきって考える/グーグルになりきって考える等。
象徴類推法(symbol analogy)-言語の力を利用して発想を広げる方法。対象となるテーマを抽象化し類似の事象を見つけるのに重要なのは「知識量(引き出しの数)」。10の知識と100の知識ではシネクティクス力は10倍でなく100倍違う。
知識量という意味で、ラテラル・シンキングに読書の習慣が影響するのは当然だが、どのくらい自分の専門分野から遠いテーマまで読んでいるかどうかで、ラテラル・シンキングにおける象徴類推力は決まってしまう。注意したいのは、多読にも「あるテーマに関連する知識を身につけたい」という目的意識が必要だということ。なんら文書としてアウトプット(組み合わせようとする作業)を行わない人は要注意。
3つめ.TRIZ(トゥリーズ)
「あちらを立てれば、こちらが立たない」というトレードオフ問題を解決するのが価値のあるアイデア。
Theory of Inventive Problems Solving(発明的問題解決理論)という旧ソヴィエトの特許審議官が考えた「問題解決パターン」の理論体系が60年もの歴史があるのだそうです。40種類ほどの発明原理が分かっているそうですが、そのうち8つが紹介されています。
原理1)分割(segmentation)
原理2)先取り作用(preliminary action)
原理3)逆転の発想(The other way round)
原理4)動きを取り込む(dynamics)
原理5)周期的作用(periodic action)
原理6)ピンチをチャンスに(blessing in disguise)
原理7)セルフサービス(self-service)
原理8)パラメータの変更(parameter change)
ラテラル・シンキングを刺激する3つのツールが紹介されています。
1)「マンダラート」-アイデアをいじるためのソフトウェアです。iPhone版の「iMandalart」だと音声や画像も取り込める。→私これ以前に聞いたことがあったので、持ってたけど使ってなかったのですが、この本見てて使い方が分かったので、アイデアまとめとかにいじり始めました。
2)「635法(ブレインライティング法)」-ブレインストーミングを短時間に効率的にやる方法です。→実は、私これ実際にやったことがあります。しかも酒井穣さん直々のご指導で。6名で50分で綺麗にブレストできちゃいました。アイデア数は忘れちゃったけどスンゴイ数出たし。
3)「SCAMPER法」48の具体的なチェックリストを使う方法です。
Substitute?代用品はないか?
Combine?結びつけることはできるか?
Adapt? 応用することはできるか?
Modify?=Magnify? 修正あるいは拡大できないか?→これも何かアイデアチェックするときのチェックリストにそのまま使えますし。
脳にとってうれしいこと(快楽)を処理するシステムを「報酬系」と呼ぶそうです。脳科学の研究では「ひらめき」の瞬間にこの報酬系が活性化することが証明されており、すなわち、ひらめきは「気持ちイイ」のです。これは「アイデアにあふれる毎日を送ることが、人間の幸せに関係する」ことを意味しています。
誰でも幼稚園で体験した、毎日何かを作りだしては喜んでいた、あの幸せな空気を、大人になった今も意図的に生み出そうとするのがラテラル・シンキングを刺激するのに必要な心がけ。
記憶していたはずの「何か」を思い出そうとしているときの脳の状態は、私たちが脳に「ひらめき」を要求しているときの脳の状態にとても良く似ている。
テーマを持って生きることの重要性-意識的か否かにかかわらず、この世界には、それを求めている人にしか見えないことがたくさんある。テーマを持って生きるということは、脳にメッシュの細かい網を張って生きるようなもの。それなくしては完全に素通りとなる情報も、テーマがあることによって、きちんと脳内にカチッとおさまってくれる。
ラテラル・シンキングは特に「帰納推論能力」流動性知能と呼ばれ、この能力は30代ですでにピークに達し、年齢の上昇とともに下落することが知られている。いっぽう、ロジカル・シンキング等の「結晶性知能」言語能力は40代でピークを迎えつつも一生ほとんど衰えない。これがすなわち組織に若者が必要な理由。
分野が違うと、どれほど創造的な人間であっても、仕事を交換できない。モーツァルトの想像力とニュートンの想像力は交換できない。交換できないという事実は、想像力の発揮以前に技術であっても学問であっても相当な「熟練」が必要であることが示されている。要するに想像力だけで勝負できる場所などどこにも存在しないのであって、地道に積み上げたスキル(基礎)の上に、そのスキルの文脈の範囲内においてのみ花咲くのが価値のある創造性だと言える。
→だとすると、30歳までにラテラル・シンキングの方法論を学び、ある専門分野の基礎力をつけておかないと、最も効率的なラテラル・シンキングはできなんだということなんですかね?
アイディアは寝かせて-夜に思いついても朝まで買いて。翌日見たら「なんじゃこりゃ?」ということがよくある。一晩寝かせてみないとわからない。
第3部 インテグレーティブ・シンキング
この本で酒井さんが言いたいのは、この3部のことのようです。
インテグレーティブ・シンキングのエッセンスは、対立する2つのアイディアを同時に検討する力であり、2つのアイディアのうちの一方をすんなりと選んだりはせず、2つの対立するアイディアが持つポイントを同時に受け入れるような、より優れた第3のアイディアを生み出すというもの。→ ほむ。究極の欲張りさんですねw。でもね、どちらかが立てば、どちらかが引っ込むということが必ずしも真であるとは誰にも絶対解らないわけで。それは単なる先入観だとも思いましたね。
インテグレーティブ・シンキングのベースとなっているのは「最善解は混沌の中から生まれる」という考え方だそうで、相手が混沌なだけに、まだ思考法のノウハウが全く整えられていないのだそうです!!!
→ 賢い皆さんは、これはビットが立ちますよね? ここを他社に先んじて押さえることが競争優位に直結すると間違いないと感じますよね?そこが本書のポイントですね。
これを読まずして、あなたやあなたの会社は、いかにして差別化し、どうやって生き残れるというのでしょうか?
といことで、肝心なところは、ぜひ買って読んでください。目から鱗なこと保証しますよ!!!
後書きで読みましたが、ある編集者さんとの縁で今回の本の出版につながったようなので、在庫切れしまくりなのは、ある意味想定範囲内だったのだろうと推察しました。
で、これが今回の酒井譲さんの新作です。テーマは思考法です。
(はじめにを読んで)
恥ずかしながら、わたしはよく知らなかったのですが、ロジカル・シンキングのスキルは、もはやビジネスにおける常識的なスキルなのだそうです。 ロジカル・シンキングって「A=BでB=Cならば、A=Cである」といった具合に、ある事実から疑えない結論を導き出す思考法で、ロジカル・シンキングに精通した人たちの間では「同じ事実が与えられれば、同じ結論が導ける」状態が形成されるので、つまりこれが上手になったところで、競合他社とは差別化できないちゅうことになりますね。 → まさにこれの体験として、私はある通信事業者でマンション向けのISP事業をやってるんですが、先日とあるメーカを呼んで新型ルータの説明を受けていたのですが、どう見ても競合他社が、この機能の実装を要求したんだろなーってわかる機能があったりして、見る人が見ると、もうそれは差別化でもなんでもなくて「ただのコモディティーなんだなー」って思ったりしましたよ。まさにロジカル・シンキングエリアでの戦いですねw これもう戦いにも、なりませんからwww
そこで、生き残るために必要な差別化を実現するために求められるのが、直感による「ひらめき」です。とはいえ、思いつきやその場限りの他愛のないアイディアを逐一社内で検討していたのではあまりにも効率が悪すぎるのでビジネスにブレイクスル―を興すような「ひらめき」を生み出す思考法が編み出されており、それらが「ラテラル・シンキング(水平思考)」と呼ばれているのだそうです。
さらにビジネスでは戦略立案や新商品開発などで最終的に全く正反対のAかBのどちらかを選ばなければならない場面に遭遇します。対立する2つのアイディアうちのどちらか一方だけをすんなりと選んだりはせず、2つのアイディアが持つポイントを同時に受け入れるような、より優れた第3のアイディアを生み出す思考法を「インテグレーティブ・シンキング」と呼ばれており、それが著者がこの本で書きたかったメインテーマだと思いました。時代は、どれかひとつ最適解を選ぶなんていう悠長なものでなく、相反する複数の選択肢から、いかにして最大限のゲインを得るか?という時代にまでなっているのだなということが凄いですね。
第1部で「ロジカル・シンキング」、第2部で「ラテラル・シンキング」、第3部で「インテグレーティブ・シンキング」を取り上げられ、ビジネスパーソンの武器としての思考法が具体的に分かりやすく解説されています。
<おっさん式、メモとコメント>
いつも通り酒井さんの本は、ネタの出し惜しみがなく、7歳の娘さんに語りかけるようにわかりやすく書かれており、とにかく理解しやすいのがありがたいです。難しいことを、これほどまでに、やさしく解説してくれる本を、私は知りません。
これらの思考法を知って、できること、気付いたことから実践して身に付けていかないと、個人としても、組織としても生き残れないよなーとつくづく思いました。
もったぶらずにあっさり書いてあり、とても大切で深い内容ですし、すぐに実践で使えそうなものも多いと思います。ホントにお得な本だと思いますよ。私はがっちり仕事で使わせていただきますよ。
第1部では、ロジカル・シンキング(垂直思考)を分かりやすく解説してくれます。恥ずかしながら何の基本知識もない私には、大変ありがたいわけです(;´∀`)
・要するにロジカル・シンキングとは「事実と提案(結論)の間に、疑えない因果関係を生み出す思考」のこと。
・「事実」→「理由」→「提案」の緻密さと納得性がポイント。
注意点①ベースになっている「事実」が単なる推測や思い込みでないか?→ありますよね。知らない人はずっとそのままですね。
注意点②「理由」に因果関係が成立しないことはないか?
・クリティカル・シンキングは、攻撃的なロジカル・シンキング(都合の良いところだけを強力に協調すること)の妥当性を判断したり、防具としての意味がある。
ポイントは
①事実に曖昧なところはないか?
②結論に具体性が欠けるところがないか?
③ロジックに独断的なところはないか?
④ロジックに飛躍はないか?
しかし、いかなる提案においても、その提案のネガティブな面を正直に述べることを忘れるな!
いいことばかりだとウサン臭くて、どうにも納得性が薄いってのがありますからね。
・説得力のあるロジックを構成するにはABCDEFを意識してみる。
Analysis(分析)
Because(原因)
Comparison(比較)
Definition(定義)
Example(事例)
Fact(事実やデータ)
・「問題発見」とエスノグラフィー(行動観察)
「問題分割」とロジックツリー
網羅性(MESE)確保のために「基本書の目次を参照」「フレームワークを活用」「1人で考えない」
・話の構成方法をCREC法という法則を守ることで、話の分かりやすさが飛躍的に高まる。
①Conclusion(結論)
②Reasoning(理由)
③Evidence(証拠)
④Conclusion(結論)
→普通の日本人の思考回路(=説明回路)は起承転結でできてるんですね。それを認識して理解出来ていないと、CRECでコミュニケーションできないわけですよね。これ聞いた瞬間に、あるラインに落としてみたんですが、反応が;;・・・・。何度も何度も聞いて確かめてみて。やっと伝わったか?という感じでした><;道のりははるかに遠いです。
・「話し方のチェックリスト(P.64)」も気付きの参考になると思いました。
→ 早速、とある現場に配ろうと画策するが、なぜか下まで落ちていかないという・・・。それ以前なのか><;
現在のビジネスにおいては「個人がそれぞれ判断し、コミュニケーションをとりながら動的にチームワークを発揮してゆく」ことが絶対に必要であり「同僚の行動から、その背後にあるロジックを正しく読むことができる人材でないと役割が務まらない」 → ですね。走りながらパス出し、回す感じですよね。
脳内にある英語の回路は、ロジカル・シンキングの回路との親和性が高いのではないか?(P.69)言語ごとに別人格がいるという話もありますよね。
そして第2部のラテラル・シンキング(水平思考)です。
ロジカル・シンキングが設定された枠の中で問題解決を探るのに対して、ラテラル・シンキングは既成の枠にとらわれず、視点を様々に変えて問題解決を図るような思考法です。ロジカル・シンキングが同じ土俵で競争するための思考法とするなら、ラテラル・シンキングは、直接対決を避けて競争相手を出し抜くための思考法といえるのかも知れません。(P.81)
ここで、酒井さんは、ビジネスパーソンとして知っておくべき3つの発想法を紹介されています。→こういうところが、助かりますよね。
1つめ.アブダクション
帰納法、演繹法に負けないくらいとても大切な思考法だが、どういうわけか一般的には浸透せず人類史の中で埋もれてしまったものと紹介されてます。
「驚くべき事実Cが発見された。しかし、もし説明仮説Hが真であれば、Cは当然の事柄であろう。よって、説明仮設Hが真であると考えるべき理由がある。」という例が紹介されてます。
「海から遠く離れた内陸で魚の化石が見つかった」→驚くべき事実C
「このあたりの陸地はかつては海であった」→説明仮説H。
あとは説明仮設Hがあれば、Cは「当然の事柄」となる。
しかし、アブダクションの推論には大きな2つの壁がある。
1つ目の壁は、驚くべき事実を見つけるためには「十分な知識」がいるということ。驚けるということは「異常」を察知できるということであり、何が「正常」であるかを知識として持っているということ。
もう1つの壁は、説明仮設Hを立てるときの「ひらめき」。異常に気付いても、その理由を考えることはけっしてロジカルなプロセスではない。
「人間は、無数にあり得る仮説の中から、真なる科学的な説明を生み出すことができる」→驚くべき真実C
「正しく推測する能力が備わっている」→説明仮説H
2つめ.シネクティクス法(類推法)
「アイディアとは、既存の要素の新しい組み合わせに過ぎない」という指摘は多数存在する。シネクティクス法のエッセンスである「共通点探し」の発想推論には3つの形式があると言われている。
直接類推法(direct analogy) -とにかく似ているものを見つけてきてテーマに結びつける。特に生物にヒントを得ようとするものは「バイオミメティックス(生体模倣技術)」と呼ばれる。ミズノの水着「ファストスキン」はサメの肌を参考にしてる。マジックテープはゴボウの実が原点だったり、チョウの体表面が超撥水性構造であることの応用など。
主観類推法(personal analogy)-擬人法や演劇的アプローチにより、自分がテーマの対象になり切ってそのものの発想を得る方法。顧客になりきって製品を考える/人間でなく製品やモノになりきって考える/グーグルになりきって考える等。
象徴類推法(symbol analogy)-言語の力を利用して発想を広げる方法。対象となるテーマを抽象化し類似の事象を見つけるのに重要なのは「知識量(引き出しの数)」。10の知識と100の知識ではシネクティクス力は10倍でなく100倍違う。
知識量という意味で、ラテラル・シンキングに読書の習慣が影響するのは当然だが、どのくらい自分の専門分野から遠いテーマまで読んでいるかどうかで、ラテラル・シンキングにおける象徴類推力は決まってしまう。注意したいのは、多読にも「あるテーマに関連する知識を身につけたい」という目的意識が必要だということ。なんら文書としてアウトプット(組み合わせようとする作業)を行わない人は要注意。
3つめ.TRIZ(トゥリーズ)
「あちらを立てれば、こちらが立たない」というトレードオフ問題を解決するのが価値のあるアイデア。
Theory of Inventive Problems Solving(発明的問題解決理論)という旧ソヴィエトの特許審議官が考えた「問題解決パターン」の理論体系が60年もの歴史があるのだそうです。40種類ほどの発明原理が分かっているそうですが、そのうち8つが紹介されています。
原理1)分割(segmentation)
原理2)先取り作用(preliminary action)
原理3)逆転の発想(The other way round)
原理4)動きを取り込む(dynamics)
原理5)周期的作用(periodic action)
原理6)ピンチをチャンスに(blessing in disguise)
原理7)セルフサービス(self-service)
原理8)パラメータの変更(parameter change)
ラテラル・シンキングを刺激する3つのツールが紹介されています。
1)「マンダラート」-アイデアをいじるためのソフトウェアです。iPhone版の「iMandalart」だと音声や画像も取り込める。→私これ以前に聞いたことがあったので、持ってたけど使ってなかったのですが、この本見てて使い方が分かったので、アイデアまとめとかにいじり始めました。
2)「635法(ブレインライティング法)」-ブレインストーミングを短時間に効率的にやる方法です。→実は、私これ実際にやったことがあります。しかも酒井穣さん直々のご指導で。6名で50分で綺麗にブレストできちゃいました。アイデア数は忘れちゃったけどスンゴイ数出たし。
3)「SCAMPER法」48の具体的なチェックリストを使う方法です。
Substitute?代用品はないか?
Combine?結びつけることはできるか?
Adapt? 応用することはできるか?
Modify?=Magnify? 修正あるいは拡大できないか?→これも何かアイデアチェックするときのチェックリストにそのまま使えますし。
脳にとってうれしいこと(快楽)を処理するシステムを「報酬系」と呼ぶそうです。脳科学の研究では「ひらめき」の瞬間にこの報酬系が活性化することが証明されており、すなわち、ひらめきは「気持ちイイ」のです。これは「アイデアにあふれる毎日を送ることが、人間の幸せに関係する」ことを意味しています。
誰でも幼稚園で体験した、毎日何かを作りだしては喜んでいた、あの幸せな空気を、大人になった今も意図的に生み出そうとするのがラテラル・シンキングを刺激するのに必要な心がけ。
記憶していたはずの「何か」を思い出そうとしているときの脳の状態は、私たちが脳に「ひらめき」を要求しているときの脳の状態にとても良く似ている。
テーマを持って生きることの重要性-意識的か否かにかかわらず、この世界には、それを求めている人にしか見えないことがたくさんある。テーマを持って生きるということは、脳にメッシュの細かい網を張って生きるようなもの。それなくしては完全に素通りとなる情報も、テーマがあることによって、きちんと脳内にカチッとおさまってくれる。
ラテラル・シンキングは特に「帰納推論能力」流動性知能と呼ばれ、この能力は30代ですでにピークに達し、年齢の上昇とともに下落することが知られている。いっぽう、ロジカル・シンキング等の「結晶性知能」言語能力は40代でピークを迎えつつも一生ほとんど衰えない。これがすなわち組織に若者が必要な理由。
分野が違うと、どれほど創造的な人間であっても、仕事を交換できない。モーツァルトの想像力とニュートンの想像力は交換できない。交換できないという事実は、想像力の発揮以前に技術であっても学問であっても相当な「熟練」が必要であることが示されている。要するに想像力だけで勝負できる場所などどこにも存在しないのであって、地道に積み上げたスキル(基礎)の上に、そのスキルの文脈の範囲内においてのみ花咲くのが価値のある創造性だと言える。
→だとすると、30歳までにラテラル・シンキングの方法論を学び、ある専門分野の基礎力をつけておかないと、最も効率的なラテラル・シンキングはできなんだということなんですかね?
アイディアは寝かせて-夜に思いついても朝まで買いて。翌日見たら「なんじゃこりゃ?」ということがよくある。一晩寝かせてみないとわからない。
第3部 インテグレーティブ・シンキング
この本で酒井さんが言いたいのは、この3部のことのようです。
インテグレーティブ・シンキングのエッセンスは、対立する2つのアイディアを同時に検討する力であり、2つのアイディアのうちの一方をすんなりと選んだりはせず、2つの対立するアイディアが持つポイントを同時に受け入れるような、より優れた第3のアイディアを生み出すというもの。→ ほむ。究極の欲張りさんですねw。でもね、どちらかが立てば、どちらかが引っ込むということが必ずしも真であるとは誰にも絶対解らないわけで。それは単なる先入観だとも思いましたね。
インテグレーティブ・シンキングのベースとなっているのは「最善解は混沌の中から生まれる」という考え方だそうで、相手が混沌なだけに、まだ思考法のノウハウが全く整えられていないのだそうです!!!
→ 賢い皆さんは、これはビットが立ちますよね? ここを他社に先んじて押さえることが競争優位に直結すると間違いないと感じますよね?そこが本書のポイントですね。
これを読まずして、あなたやあなたの会社は、いかにして差別化し、どうやって生き残れるというのでしょうか?
といことで、肝心なところは、ぜひ買って読んでください。目から鱗なこと保証しますよ!!!
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