「いっしょに働きたくなる人」の育て方 by 見舘好隆



人材育成の本です。わかりやすく書いてあり「仕事に応用できるところがないかなぁ?」と思いながら読みました。筆者の研究で、教育カリキュラムのしっかりした会社(後述)で学生がアルバイトした場合に、下記の①から③の能力が向上したと言っています。
リクルート ワークス研究所が定義する”社会で働くために必要な「基礎力」”を評価軸として捉え、これらの能力が伸びたかどうか?で評価したとのこと。これがよくまとめられているので書いておきます。
リクルートの人材開発力のヒントでもあるような感じがします。

①対人基礎力
親和力: 他者との豊かな関係を築く 【親しみやすさ/気配り/対人興味/共感・受容/多様性理解】
協働力: 目標に向けて協力的に仕事を進める 【役割理解・連携行動/情報共有/相互支援】
統率力: 場を読み、組織を動かす 【話し合う/意見を主張する/建設的・創造的な討議】
②対自己基礎力
感情制御力: 気持ちの揺れを制御する 【セルフ アウェアネス/ストレス コーピング】
自信創出力: 前向きな考え方ややる気を維持する 【独自性理解/自己効力感・楽観性】
行動持続力: 主体的に動き、良い行動を習慣づける 【主体的行動/完遂】
③対課題基礎力
課題発見力: 課題の所在を明らかにし、必要な情報分析を行う【情報収集/本質理解】
計画立案力:問題解決のための適切な計画を立てる【目標設定/シナリオ構築】
実践力:実践行動を取る【行動を起こす/修正・調整】
④処理力 ⑤(論理的および創造的)思考力

アルバイト戦力化の人材育成で定評のある「マクドナルド」「スターバックス」「コールドストーンクリーマリー」が取り上げられています。
  • マクドナルドは、いわゆる「マックジョブ(誰でもできる単純な仕事)」ではなく、チーム協働をとても大切にしている。
  • スターバックスでは、GAB(Green Apron Book)カードという5つの価値観(いわゆるクレド)を示すカードが用意されており、他のメンバーがクレドに沿った行いをした時に、メッセージを添えて渡す制度が運用されている。これにより「自らがクレドに沿った行いをする」だけでなく「他の人の行動を見て学ぶ」という両面を効果的に生かしている。⇒実際に渋谷のスタバに行って、グリーンエプロンの人に聞いてみたところ、本当にもらったGABカードが財布に大切にしまわれていました。
  • コールドストーンは「ハッピークリーマリー体験を提供する」というポリシーで運営されており楽しい会話、歌を歌ったり・踊ったりする。⇒ここも渋谷店に実際に行ってみました。大学生が照れながらやってる感じでしたが、協働感はありました。私はコールドストーンのコアバリューが気に入りました。①正しくあること ②ベストを尽くし1番になること ③人を幸せにすることで利益を生むこと ④仲間の才能を引き出すこと ⑤チームで勝つこと。また、スキル習得より企業理念の浸透を重視するという考え方も気に入りました。
「経験と触媒(メンター)」キャリア・ラダー」
読んでいて、下記は実戦でも応用してゆきたいと思いました。ポイントは「見守る」「相談にのる」役割を誰ができるか?ということに尽きると思いました。現場は常に自分が仕事をこなすだけで精一杯ですものね。
【あるべき姿を描く】
わかりやすい目標を設定しよう!メンター役は誰?
【相談や、助け合う仕組みは?】
周りに質問したり、相談できるか?
良いところをすぐ褒めることができているか?
【経験を共有する仕組みは?】
トピックや新たに学んだことなどを、全メンバーが、あとでまとめて目が通せるか?
忙しい中、わざわざドキュメント化するか?
人に教えるメリットは?褒賞は?
助けてもらったり、良いところを見つけたら、渡すカードでもやってみるか?
【若者を成長させる経験と触媒】 「経験+触媒=成長」
南カリフォルニア大学マーシャルビジネススクールのモーガン・マッコール教授の著書「ハイ・フライヤー 次世代リーダーの育て方」より
①フィードバック内容の向上
 ⇒ 良いところをタイムリーに褒めること
一人ひとりの従業員が、その行動や業績について、タイムリーで素直なフィードバックが受けられるようにすること。受け手が受容できるような形で提供することが大切。
②刺激誘引と資源の提供
 ⇒ わかりやすい目標と、わかりやすいご褒美があること
明確な人材開発目標を提示し、褒賞や賞与、昇進といった目に見えるものから、認知や個人的満足といった目に見えないものまで、幅広い報酬を用意すること。
③変化のための努力支援
 ⇒ 放ったらかしじゃない、サポートが得られ、見守られてると感じられること
人が変化して行くのを温かく見守る風土があること。具体的には、メンタル面での支援を提供したり、環境を整えたり、望ましい変化が生まれるよう、システムの変更を検討したりすること。

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