「Googleの正体」を読んでみた




何故Googleがこれほど無料製品を投入し続けるのか?等について、大変わかりやすくGoogleの気持ちを解説してくれる本です。今後もGoogleの動向に注目せざるを得ないと強く感じました。
Googleを知ってるつもりで、何も知らなかった自分を大いに反省しました


【AIDMAからAISASへ】
学生時代に習ったAIDMAは既に終わってるんだと改めて理解。90年近く前の理論だったと知って更に納得しました。
1920年台にサミュエル・ホールが提唱したマーケティング理論「AIDMA」は、80年の時代を経て「AISAS」に変化している。

注意(Attention)
関心(Interest)
欲求(Disire)   
記憶(Memory)
行動(Action)
注意(Attention)
関心(Interest)
検索(Search)
行動(Action)
共有(Share)

【Googleの成長戦略】
「大数の法則」により、1検索当たりの売上がほぼ予測出来るGoogleは、シェア100%になった時点で成長が止まることになる。これを止めないために市場自体を拡大する必要がある。

基本方針は3つ。
「グーグルの利用者を増やす」
「1人あたりの検索の回数を増やす」
「1回あたりの広告クリック率をあげる」

具体的な戦略は5つ

1.トラフィックを買う
AOLへ金を支払ってでも、トラフィックを買い、検索数を増やす。実際、米国とヨーロッパでやった。

2.海外展開
2003年までに100ヶ国語の検索までサポートした。

3.インターネットを普及させる
現在、世界人口68億人のうち、インターネットにアクセスできる人口は19億程度とみられており、地球規模で見ると、あと2.5倍の未開拓市場が残されていることになる。この未開拓市場は基本的に低所得層が多く、なおかつ非都市部であることが多い。 2009年時点で、世界で46億人が利用している携帯電話のうち、モバイルブロードバンド契約者はわずか6億。これらへの答えが「ChromeOS」「Android」を無償提供し、安価な端末を世界の隅々まで普及促進することである。
既にパソコンやスマートフォンを使っている先進国の人(19億人)は、優れたものだけGoogleを使うが、AndroidやChromeOSにより利用する人は、基本アプリケーションまで全てをGoogleAppsを使う可能性が高いのではないか?

4.モバイル利用を拡大させる
自宅で2時間使うより、モバイルの2時間の方が検索機会が増える。モバイルの方が検索発火点が低くなる。「TVでやってるダイエット商品をすぐ検索等」。また、モバイル検索+GPS位置情報だと、広告クリックの可能性がはるかに高くなる(例えば「ラーメン」と検索する時には、お腹が空いており、その状況で近所のラーメン屋広告出す等)
このあたりの話しを読んでいると「Google音声入力」などが彼らの成長にとっていかに重要かよくわかる。

5.行動ターゲティング広告にシフトする
消費者の行動を分析して、適切な広告を提示することにより、広告効果をあげる。思わずクリックしてしまうような広告を出すこと。文脈ターゲティングから行動ターゲティングへ

【Googleは十字軍か?悪魔か?】

プライバシー保護に関しては、自らの成長(=インターネットの発達)を妨げる方向に関しては徹底的に抵抗するが、それ以外の場合には案外ルーズな実績もあるということで、やはり冷静な観察が必要だと感じます。

G-Mailの文脈広告とか、世界最強のライフログを入手済で、社会を制覇しうる程の力を既に手に入れているGoogleが、もし「危険!悪魔だ!」と認知された瞬間からインターネットの拡大が阻害される=Google自体の成長も止まるという図式が成り立つことが唯一の歯止めだと信じたい一方で、我々が社会全体で冷静にGoogleの動きや変化を注意していかねばならないということも改めて認識しました。

起業時のモチベーションでも、創業者2名は学術研究者指向で「広告は検索を冒涜する!」と頑なだったというので、比較的安全そうに思えますが、エリックシュミットは元ノベル会長のビジネスマンですから、よくわからない。特殊な株式方式のため、現段階では危険な状態ではないようですが、何が起こるかわからない時代ですから、注目してゆくしかないと思います。

コメント

  1. 素晴らしい要約をありがとうございます!
    もう一度この本を読みたくなってきましたw

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  2. 私は知見が無いのでw自分の備忘録として要約しか書けないのです;;w
    この本は堀江さんのblog書評で知って、読みたくなった本なのです! これからも良い本を教えてくださいね!

    返信削除

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